白いダリアと蒼い薔薇 宙 1
「さんには明日までに部屋を用意させますから、今日は僕の部屋を使って寝てください」
そんな願っても無いことを言われ、
ソロモンの部屋を今度こそはとしっっかり堪能してから(・・・)ふかふかのベッドでぐっすり寝たのは昨日のこと。
ちなみにソロモンはリビングのソファーで寝たらしい。
ベッド、あんなにでかいんだから是非一緒に寝たかっ・・・ごほん。
それはそうと、ちゃんとカールと二人揃って写ってる写真も見つけときました!
朝起こしに来たソロモンに、仲がいいんですか?って聞いてみたら、
「言い忘れてましたが、彼は私の弟で、カールというんです」と紹介された。そういや聞いてなかったなあ、名前。
とりあえず、「似てない兄弟ですねえ・・」と返しておいた。
・・・内面も含めてな。
畜生、まだ節々が痛いんだよ!妙に緊張したせいで!
覚えてやがれっ変態仮面野朗ォおお―――――――!!!・・・と心の中で叫んだところで早めの朝食。
今日の服はソロモンから貸してもらいました。
灰色のワンピースで、おなかの辺りで白いリボンを結ぶんだけど、これがまた高価そうなんだな。
・・・男しかいないのに女物の服が用意してあるのって不自然。
まあ、明らかにディーヴァのなんだろうけど、意地悪も兼ねて一応質問してみましょう。
「あの、どうして女物の服があるんですか?女性の方は見られませんが・・・」
「・・ああ、ワンピースですか?・・・・・僕には兄さんがいるんですが、その娘さんのものなんです。
今回、もしかしたらいらっしゃるかと思ったんですが、生憎と予定がつかなかったものですから・・・」
「そうだったんですか。残念ですね、是非お会いしたかったのに・・(会ってたまるかぁああ!!)」
再び心の中で叫んじゃったよ。 見るだけならきれいな人なのに・・・
に、しても。
考えてみたら、朝の、こんな時間になってもまだ何にも起きてないって事は、今日は小夜達、来ないのかな。
ゆっくりできるからそれはそれでいいんだけど・・・不安。
アニメと違ってたら、どうしよう。
夕方ぐらいにドンパチやられちゃったりして、
きっと挙句の果てにはデヴィッドさん辺りに「貴様・・・何者だ?!」とかいわれるんだよ。
んで赤い盾の皆様の流れ弾に当たってあえなく死亡。
・・・・・って!リアルに想像出来ちゃったよどうしよう?!!
や、やばい。 ええっと・・・建物の中も危険でしょ、爆破されるし。で、外ももちろん危険。
・・・どないせえっちゅうねん。 安全な場所が無いよ!
うー、こうなったら誰か絶対安全な人にくっついてアニメ通りになるのを祈るしかないか・・・
ヴァンは・・・だめだ。全然安全じゃなさそう。(酷
カールは頑丈だけど、行方不明になるんだったなそういえば。
・・・ま、ソロモンにしとこ。多分大丈夫だろ、うん。
「あの、ソロモンさんは今日、何か予定入ってます?」
「・・・そうですね・・ヴァンの研究状況が見たいですし、実験農場を見てまわろうかと。
そういえば、あなたはすることが無いんですね・・・どうです?ご一緒に」
うおおおお!?何もしないままに安全ゲット!!有難うソロモン!
「喜んで!!!」
横でヴァンが何か叫んでたけど、もう行くことは決まったみたいだった。
「それでこちらでは・・・」
遥か前のほうから微かに、ヴァンがソロモンに研究状況?を説明している声が聞こえる。
私もついていくと決まったときは不満たらたらだったヴァンだけど、
私が何もせずに大人しく後ろからついていくだけなので安心したようだ。
別に研究内容をこっそり聞いちゃえ!とか思ってないしね。
安全が確保されればそれでよし。緑も青空も綺麗だし、言うことなし!
実験農場って言うから一体どんな恐ろしい実験がされてるんだと思ってビビッてたけど、
どうやらおっそろしいのは例の実験体の子供達だけで、他は普通みたい。
表向きは普通の製薬会社だしねー。
「・・・ん?」
・・わ、あんな所にお花畑が!すっごく綺麗!
「・・・・・一本ぐらい、いいよね?部屋に飾りたいなあ・・・」
ふらふらと道を外れ、傍の林に消えた。前方を歩く二人がそれに気付くのは、もう少し経ってからである。
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