白いダリアと蒼い薔薇 宙 8








































は眠る。

陽は未だ昇らない。





少女は歌う。

繭に包まれ、夢の中で揺蕩いながら。









幼い少年は惑う。

甘露と、愛の狭間で。

















うたが・・・きこえる。




みみをふさいでても、あたまのなかに、ひびいてくるんだ・・きれいなこえ。













いつもだったらめをとじて、いっしょうけんめいきく。





そうだ、そうすればいい。

このうたをきいていたら、とってもきもちいいんだから。



あったかいふとんのなかで、ねむるみたいに。








でも・・・でも・・・ききたいけど。 だめ、だめ、だめなんだ。
















おねえちゃんとのやくそく。かなえたい。 


おねえちゃんといっしょに、おはなをつんで、とりさんのこえをきいて、たくさんおはなしして・・・



うたもうたうの。










だから、だから、おねがいだから、




うたわないで。



さそわないで。



よばないで。













いきたくないよ・・・っ!










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