は眠る。
陽は未だ昇らない。
少女は歌う。
繭に包まれ、夢の中で揺蕩いながら。
幼い少年は惑う。
甘露と、愛の狭間で。
うたが・・・きこえる。
みみをふさいでても、あたまのなかに、ひびいてくるんだ・・きれいなこえ。
いつもだったらめをとじて、いっしょうけんめいきく。
そうだ、そうすればいい。
このうたをきいていたら、とってもきもちいいんだから。
あったかいふとんのなかで、ねむるみたいに。
でも・・・でも・・・ききたいけど。 だめ、だめ、だめなんだ。
おねえちゃんとのやくそく。かなえたい。
おねえちゃんといっしょに、おはなをつんで、とりさんのこえをきいて、たくさんおはなしして・・・
うたもうたうの。
だから、だから、おねがいだから、
うたわないで。
さそわないで。
よばないで。
いきたくないよ・・・っ!