事の起こりは、シンがキラを倒したあの場面からです。





1 神はその時(事の起こり)




「うおぉおおおーーー!!!」

怒りと憎しみと悔しさを込めた剣の切っ先が

今にもフリーダムに突き刺さろうかというとき、ふと、キラは呟いた。


「・・・あれ?そーいえばこのまえフリーダムのプログラムをいじったような・・・?


その声は何故かシンの乗るインパルスにも届いていたが、シンは気にも留めない。

家族、そしてステラを奪った仇が目の前にいるのだ。ここで逃してたまるか。


そしてとうとう剣が深く突き刺さる。

目も眩むような爆発の光に、シンは目を瞑った。

やった、自分は遂に、やったのだ、と感激に震えながら。

・・・やけに冴えた耳に、ひどくのんびりとした声が聞こえて来るまでは。


「ああ思い出した!フリーダムがやられそうになったら

目の届く範囲全てを巻き込んで自爆するようにしたんだった。

VIVA・核エネルギーだよねっ★」


「・・・え?・・・え、ええ?!」


おいおい、不殺のフリーダムじゃなかったのかよ、

てか世界平和は?とかなんとか言う突っ込みは全て、

次の瞬間には光の中に消えていた。












肝心の人が出てきてません。





2 ミネルバチームはその時(ちょっと長いです;)


ざくざく。
ざくざく。

ざくざく。



「はあ。ここはどこなんでしょうねー艦長。ミネルバは海の上にいたはずなんですが・・・」

「つべこべ言わずに歩く、アーサー!まったく、全員脱出できたはいいけれど、

一体何が起こったのかしら。艦は動かないし。」

「艦長の方がぶつくさ言ってるじゃないですか。

しかも全員じゃなくてレイとルナマリアとアスラン以外、だと・・・」

「分かっているわよ、細かいことは気にしない!ああもう・・・」


今までの戦場と化した海の上から一転して、

ミネルバが突然森の中に不時着したのは数刻前。

落下時の衝撃からかシステムもうまく作動せず、とりあえず全員を外に脱出させた。

しかしモニターで戦況を見ていたはずのレイ、ルナ、アスランが、

何処を探しても見つからない。

仕方がないので、先に脱出でもしたのだろう、とそのまま山を下ることにしたが、

彼らがいないと何か心細い。

それは姉が行方不明なメイリンも同じなようで、

沈んだ顔で一行の後を歩いてきていたが、ふと、横を見た瞬間、叫び声をあげた。


「艦長、随分お疲れのようですね・・・ 、え? ・・き、きゃああっ!!!?」

「メイリン、どうしたの?!」

「あ、そ、そこの陰に・・・!」

叫び声に振り向いたタリア、アーサーなどの多くの人が

メイリンの指す方向を見ると、何かが、いた。

人に見える・・しかしその顔、体は見る間に膨れ上がり、

次の瞬間には大きなボール状の、銃器を備えた化け物と、化した。


「う、うわあああああ!!」

「に、逃げ・・・」

「あ、み、皆さん落ち着いて・・・!艦長?」

「・・・・・・・・た、」

「・・・た??」


「・・・タンホイザー起動ーーーーー!!!」

「「「艦長、落ち着いてくださいーーー!!!!!」」」






---ちなみにこの後タリアは、助けに来た神田にも

「迎撃ーー!!」とか言ったそうな。










なんだか主人公が黒く。

おかしいな、こんなはずじゃ・・・




3 君の姿はあれに少しだけ似ている(微妙)



「全く。あの室長コーヒー豆ぐらい自分で買いに行けって話ですよ。

ああそういえば働きづめでしたっけね。でも僕だっていろいろと忙しいんですよ?」


一人街角で文句をたれる少年が一人。

少し寝不足のせいか白さが薄れている気がしないでもないが、

突然の爆音に、一気に目が覚めた。


ドゴオンッ!!!


「なっ・・・アクマ?! にしては音が大きすぎるような・・・

とりあえず行ってみないと。ほら行くぞ、ティム!・・・・・ティム?」


焦って周りを見渡すが、またどこかに飛んでいってしまったようで見当たらない。

「くそっ!一体何処にいったんだあいつ!・・・え?」

いらついて放っておこうとも思ったがパタパタという音に振り返る。

「ティム?今まで何処に・・・・・・・・・あれ?」

しかしそこにいたのは、小さな黄色い球体だった。

似ている。確かに似ているのだが。


ティムキャンピーってこんなのでしたっけ?何か違うような・・・

いや、でもこんな可愛い目で僕を見上げて・・・え、目?


「テヤンデイッ!」

「え、ティムじゃない?!!こ、これ、何・・・・?!」








ゴソゴソ

「あれ?俺の小型黄ハロがいない・・・落としたか?」












ごめんなさい、先に謝っておきます。

すこーしだけギルレイ?かも知れません。

でもまあ、所詮ギャグですので。






4 超人類達はその時




「うわぁ綺麗だねぇ本当にぃ。お人形みたいぃ!」

ぎゅっ、とリボンを結んだ少女は、満足げに笑んだ。

しかし色とりどりのドレスに包まれた当の本人・・・レイはちっとも満足ではない。


思えば自分はモニター前でシンとキラ・ヤマトの戦いを見守っていたはずなのに、

それがどうしてこんな・・・屈辱的な格好をさせられているのか。

確かに小さい頃はギルにも「可愛いね」などと言ってもらったりもしたが・・・

・・・・・いや、そんなことは関係ない!


それに、この少女達は一体何者なのだろう。

ここへ来たとき最初に出会った長身の青年は、俺が発砲したにもかかわらず無傷だった。

その隙に後ろから何かでこの少女に殴られたようなのだが・・・

ナチュラル? コーディネーター? どちらにも当てはまらない気がする。


悶々と考え込んでいたレイだったが、聞き捨てなら無い言葉を耳に挟んでしまう。


「こんな可愛い女の子が手に入ったんだからぁ、たっぷり楽しんであげなくちゃねぇ?」

「・・・っ! 俺は男だ!!」

「次は何着せよっかなぁ? あ!あの赤いのがいいかもぉ!」

「聞いているのか?俺は・・・」

「この子、赤が似合うんだよねぇ。じゃあバラは黒かなぁ」

「だから話を進めるなっ!」

「これからはずうっと僕がお世話してあげるからねぇ?」

それはいかん!レイは私が世話をしてきたのだ!誰のところにも嫁にやらぬ!」

「誰が嫁だ!しかも俺は男だって何回・・・・・・・・・・・え?今の声は・・」

突然の来訪者に戸惑いを隠せないレイ。

というか誰もが戸惑うだろう。信頼していた父親に嫁とか言われたら。

とりあえず彼は汗だくかつ爽やかに微笑んで見せた。


「やあレイ!君のことが心配で来てしまったよ!」

「・・・あんた誰ぇ?」

「この子の父親代わり、と思ってくれて構わないよ。

しかしレイを嫁に行かせるわけには行かないんだ。お引取り願えるかな?」

「や、だから俺、男・・・」

「ええぇ?こんな可愛い女の子もったいないよぉ。ちょおだい!」

「男だって・・・」

「聞き入れられないな。ほら、彼女だって嫌がっているだろう。なあ、レイ?」

「・・・・・・・・」

「・・・レイ?」



「人の話を聞けえええぇえええええ!!!!!」


その日、伯爵邸は崩壊した。












うまい落ちが思いつかなかったのでこんなのです・・・






5 そして元凶はその時




ある午後、黒の教団近くの町。

そこには、謎の機械が出現していた。

言わずもがな、シンとキラである。



ドンッ!

ガラガラガラ・・・

「ここは・・・っ」

ドスンッ

「何処なんだー!!!」

「はいはい騒がない地団駄踏まない。建物倒壊してるじゃん」

「誰のせい・・ってアンタなんで無事なんだよ?!」

「ふふ、僕があれしきの事でやられるとでも?」

「やられるのが普通だよ!

    あんた、本当にここが何処だか知らないのか?」

「知るわけ無いじゃん。僕達、海の上にいた・・・よね?」

「だからアンタが何かしたんじゃっ、」

「してないって。もー本当に短気だね、君ってば」

「(ぷちんっ)なっ・・なんだとー!?」

ドガガガガッ

ドゴン!!


街を破壊するままで依然として進まない話し合い。

そんな様をびくびくしながら見ている二つの影があった。


「爆発音がするから来て見れば・・・ラビ、あれ、何なんです?」

「し、知らないさそんなこと・・俺はただ、奇怪現象だ、任務だって言われて・・」

「アクマ、・・・でしょうか?それとも・・新作のコムリン?」

「て言うか、なんか・・中から声がする気が・・」

キラ!!それにシン!?」

「「・・・えっ?」」

突如として現れた濃紺の髪の青年に、ラビとアレンは振り向いた。

息を切らした青年の後ろから、

買い物袋を両手にずしりと下げた赤い髪の女の子も走ってくる。

「もー、何?せっかくいいお店見つけて買い物してたのに・・

・・ってうげっ。あれ、シン? あ、アスランさんも来てたんですかー?」


「え、えーっと。あ、あなたたちは一体・・・?」

「あ、私はルナマリア!それでこちらが・・」


一番初めに我に返ったアレンとルナはのほほんと自己紹介を始めたが、

許容範囲いっぱいいっぱいのラビはというと。


「僕はアレンっていいます。それで隣にいるのが・・ラビ?

     ・・・え、どうしたんですか?」

「き・・・・」

「き??」

「奇怪な・・・機械、さ・・・」

・・・・・。

(((さ・・・寒っっ!!)))


その日、その町一帯に、吹雪が舞った・・・





これで終了です。
ここまで読んでくださった方、もしおられましたら有難うございます!!

随分長い間放置してしまいましたね・・・
ていうかこれってコラボ小説というよりは、
種運命→Dグレのクロスオーバー、もしくはミックス小説?




〜おまけで一話追加〜


6 そしてその後




「っうわああぁあああ!」

「きゃあああー!ば、化け物っ!!」

「・・・はっ!!ラ、ラビ!今度こそアクマです!」

「・・・・・本当にいたんだな、アクマのやつ」

「? 悪魔・・・ってなんだ?」

「あそこにいるボールみたいなやつのことー?

 あ、人の形になった!すごーい!」

「っ!! まずい、レベル2になったさ!」

「レベル2? 成長みたいなものか?そもそも何なんだあれは!」

「コーディネーターの進化系とかじゃないですか?極秘に開発された・・・」

「あれはアクマさ! それは約100年前のこと、一つのキューブが発見され・・」

そこからなんですか?!説明長っ!」

「ノアの洪水が・・・」

「終わらないですよそんな説明じゃ!
 とにかく、アクマは人を殺すことによってより強く進化します。
 僕たちの敵なんですよ!!」


「確かに凶暴そうなやつだな・・・
 ん?アレン、あのアクマ、さっきより動きが素早くなってないか?
 装甲も何処と無く頑丈に・・・」

「ぎゃははははッ!!!ついにレベル3になったぞォオ??!
 俺様の速さについて来れるかなァー?!」


「うっわあ〜・・あのアクマってやつ、やばくない?・・ってレベル3?」

「「・・・レベル3っ?!!」」

「な・・・なんか早くねぇ?」

「僕達が長々と説明なんかしてるからですよ!ああもうあんなところに・・・!」





「オラそこのごっついの!何なんだお前はァ?エクソシストか!」

「・・・は?何言ってんの、こいつ。新型のMSかな。人工知能搭載?」

「それにしては小さ過ぎじゃありません?」

「何なんだって聞いてんだぞオ?!答えろ!!」

「僕はこんなの知らないよ、大方ザフトが開発したんじゃないの」

「違いますよ!なんだってザフトに擦り付けるんですかっ!」

「無視すんなてめーら!!!でかい図体しやがってえぇえ!」

「だってこんな悪趣味なMS、ザフト以外にどこが考えるのさ」

「それをいうならオーブのユウナってやつの髪の色だって・・」


「だァあーれが悪趣味だあァああ!!!この俺様の素晴らしいボディを・・・」


めしゃっ


「君、うるさいんだけど」


「ひっ・・・ヒィイ!!!ボディに傷が・・・」


「いいかげんさあ、何なの?えらそーに周りをブンブン飛んでさ。目障り。


「お、俺様の超音速飛行が・・鋼鉄ボディが・・・!」


「え。あれで超音速のつもりだったの?思い上がりも程ほどにしなよね。僕に勝てるわけが無いんだから」


「(うわ、怖〜・・・)キ、キラさん?」


「そうだ。君の”超音速”とやらはこの羽みたいなのが原因かな?
 二度と僕の目の前に現れないように毟ってあげようか」


「ひっ!?やっ、やめ・・くっ!エ、エクソシストじゃないんだったら無理だ無理だ!!
 イノセンスじゃなきゃアクマの俺はやられたりしないもんねー!!」



「(ぶちんっ)・・・・・・・・・・ふうん、そう思う?」















ギィいャあアァあああ―ぁ――――――――・・・・・
















完。